ガーディアン・ガーデン
- 作者: 時田ゆか,壱河柳乃助
- 出版社/メーカー: プランタン出版
- 発売日: 2009/07/03
- メディア: 文庫
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で、どーしてそういうことになるのかと考えてみたわけだが、どうもゲームが元らしいんだな。多分「寒いまでにかっこいいことをあえて堂々とやる」という感じのコンセプトなんだろうが、それならそれでゲームと小説の受身さ・楽しさの違いを考えなきゃなんなかったんじゃないだろーか。ゲームってどんなに細かいテキストを入れてもボタンを押してる以上参加してる訳で、押して画面が暗転して次のグラフィックが出るまでの間に頭の中で与えられた情報をつなげてんじゃないかなア。その点小説は最初から最後まで受身で追ってるだけだから、能動的に考えることは読み終わるまで基本止まってて、だから情報だけではなく文章にしなくてはならないんだが、どーもその辺無自覚で書いてて、ずっと違和感がすごかったんじゃないかなと…。アドベンチャーゲームをやりなれてて、グラフィック100%にするためにえんえんとやり続けられるような人は私よりなじめるのかもしれない。今思えば情報はやたらあった。筋と文章になってないだけで。
そんな感じでやりたいことも何を外してるのかも丸わかり状態でエロシーンなど入られた日には凍えること必至なのでティアラ文庫最大の個性のひとつであるはずのその辺を読む勇気がありませんでした…。おおう。絵もなあー女キャラもう少し可愛く…というか男キャラの半分位でも愛を持って描いてあげてよう。主人公視点のゲームは抑え目にするものなんだろうが、せっかくの少女小説なのにー。
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例えば二人の人間がいて、間に一個リンゴがあるとしましょうや。片方が相手を好きでこのリンゴを使うにしてもまあ色々あると思う訳ですよ。「半分こする」普通だけど安心できる人、「半分丸かじりしてから残りをあげる」気持ちを許すとかなり懐に入ってしまう人、「四つに割って皮とタネとってくれる」マメな人、「うさぎさんリンゴにまでしてくれる人」「全部くれる人」「食べさせようとする人」「半分この大きい方をくれる人」などなど。また、素直になれないにしても「投げつけちゃう人」「目の前で全部食べちゃう人」「毒を入れちゃう人」「一口だけあげる人」「目の前で他人にあげちゃう人」「半分にしてあからさまに小さい方をあげる人」などなど。「ウサギさんリンゴ」ひとつと取っても「赤面して」「当たり前に」「憮然と」「無表情に」「目だけ笑ってない顔で」「泣きながら」「切なそうに」「幸せそうに」「不幸せそうに」「笑顔で」差し出してくるだけでかなりの個性を作れる訳で(個人的には「当たり前にうさぎりんご」が好きだ。憮然とウサギリンゴも味わい深いな)「りんごをあげる」というだけでその人の性格、愛情、関係、状況がわかり、これに相手の反応が加わればそれが倍々になっていくわけで、それがキャラクターを書く楽しさだと思うんだけど「好きだから」「リンゴをあげる」もしくは「リンゴをあげた」「だから好意がある」しかない話を見ると!! すげえ!! もったいなくて!! 妖怪化しそうです!! ふぎーー!! うあーこういう人はリンゴ剥いてくれただけでありがとうとも思わずに「俺に気があるのかな?」とか能天気に思ってるに違いないんだぜ!!(言いがかり)いや、ワタシが言ってるリンゴの例えもただの記号を少しだけ細かくしただけなんだけど〜「ふつうに面白い」とか「安心して読める」とかいう断じて褒めてない言葉をもらってるお話は大体コレがヘタクソな気がする。うー。
となりの怪物くん
- 作者: ろびこ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/01/13
- メディア: コミック
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勉強が全てだと思ってる小粒でクールな冷血少女・雫と、他人との距離の計り方が異常にヘタな上に腕力があるので問題ばかり起こしている春の出会い。というとスゲーーーフツーーだなーー!! この二人が、作者の妙にニュートラルでドライかと思えばたまに直球でキラキラしたりする目線と、結構深刻なことがあるような気がするのだが微妙におかしみのある独特ーな間でいい味わいになってます。なんだかんだいって好き合ってるのに二人の人生がちがいすぎて恋愛の記号が効かないところもかわいい。二巻も買ってくればよかった〜〜ゴロンゴロン。
身代わり伯爵の失恋
- 作者: 清家未森,ねぎしきょうこ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 文庫
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「本当に甘かった」だの「何も考えてなかった」だのさんざん言ってるわりにまた二人とも同じよーなことを決意も新たにやってるがそんなのもうご愛嬌よ!(ワー) ワタシはね、匿名の素人でも言えるツッコミポイントとか、辻褄とか、巧緻とか、そんなことどうでもいいのよ! 分かってても走り出さずにはいられないミレーユと、それを追いかけずにはいられないリヒャルトが読みたいのよ!!! 誰かにバカにされてしまうかもしれない代わりに愛する人にはとことん愛されるミレーユの一途さと、「君は…君はホントに馬鹿のようにミレーユが好きだな!」というリヒャルトの気持ちを味わいたい訳ですよ。はーたのしかったー。
つーか、ここまで来るの長かったなァァ…!(遠い目)三巻ころに「あと六冊かかるよ」と言われてたら絶対読まなかったな(笑)また似たような展開になっててますが、これからは少なくともリヒャルトは腹を決めているのだから違った気分で読めそうで楽しみです。ああ何度心の中で「『あなたのためだから』なんてしゃらくさい言葉の為に読んでんじゃねえエー!!」と叫んだ事か…。フフフ…(暗)
何でもいいがヴィルフリートさまは愛されすぎだよな。いや私も大好きだが。
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随分前ジャリズム(だっけかなー番組名を思い出せないのでわからない…)が深夜に声優をゲストに迎えてトークする番組をやってたかと思うんだが、それで富沢美智恵様がマイケル・ジャクソンの大ファンであることを話していてな。うろ覚えなんだがマイケルのコンサートで富沢さんが最前列(だったかなあ、取れるもんなのか?)が取れて座って見てた訳だが、ふとマイケルが舞台から降りて来たんだな。で、富沢さんは直感的に「私だ」と思って立ち上がったら真っすぐマイケルが来て抱き締めてくれたという話を、新聞だか雑誌だかに載ったその時の写真を見せながら話しておったのだが、こたびの訃報で彼がメディアで話題になるその都度このエピソードが脳裏に浮かんで来てだな〜〜〜どなたか! どなたかこの呪いを断ち切ってくださらんか…!! なんで私的にはっつーか富沢さん以外の全人類がどうでもいい話をこんなに脳にリフレインさせなければならぬのだオオオ…!! (知らん)
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以前茶も飲めるパン屋に入って席に座ったら、となりに背もたれに寄りかかって、今はやりのもじゃもじゃの長めの前髪を目を隠すようにたらしてうつむいて、形のいい鼻を文庫本に向けて熱心に読んでいる美しい青年がいてのう、それはそれはわくわくしたものじゃ。私は自分の手元に集中している男(まあ見目がいいに越したことはないがそうでなくてもいい←超上からだな!)が大好きで、しかもいかにも子供のようにただ猫背でうつむいてるんじゃなくて、寄りかかって下を向いてるのがよくてのう。ナカナカすてきな気分に浸っていたものじゃ。
ところがそこへ多分19か20才くらいの娘さんがやってきてその青年の向かいに座ってのうううーー。オイラの素敵タイムは終了さ。イヤ別にその兄ちゃんがフリーであってほしいとかそういう差し出がましいことを思っている訳はなくてだなあー、おんなってのはーいかんよ。つまらんよ。向かいに座っただけで「夢に出てくるような青年」を「ジャニーズにいそうな気の効いたイケメン」に変えてしまうんじゃ。ああ私が帰るまで来ないでほしかったのう。
その娘さんがまたよくできてて、あずまきよひこのまんがに出てきそうな、かわいいんだけどどちらかと言えば愛嬌のほうが感じられる清潔な感じの子で、甘えるのがとても上手で、テーブルに軽く伏して上目でその青年をニコニコしながら見てその青年にしか聞こえない声で何か言うんだな。すると青年がうれしそーにやや上からかぶせるように乗り出してまた何事か言って二人で笑ったりしてるのだな。(…今思うとつくづくよくできた男だな! またこれが本当に嬉しそうでサマになってんだよ)なんかよくできすぎてて可愛いやら残念やらオイラはよくわからない気分で悶々としてしまってのう。え? だからなんだって? 自分でわかったらこんなもんつれづれと書いてないわい!(ひでー)