例えば二人の人間がいて、間に一個リンゴがあるとしましょうや。片方が相手を好きでこのリンゴを使うにしてもまあ色々あると思う訳ですよ。「半分こする」普通だけど安心できる人、「半分丸かじりしてから残りをあげる」気持ちを許すとかなり懐に入ってしまう人、「四つに割って皮とタネとってくれる」マメな人、「うさぎさんリンゴにまでしてくれる人」「全部くれる人」「食べさせようとする人」「半分この大きい方をくれる人」などなど。また、素直になれないにしても「投げつけちゃう人」「目の前で全部食べちゃう人」「毒を入れちゃう人」「一口だけあげる人」「目の前で他人にあげちゃう人」「半分にしてあからさまに小さい方をあげる人」などなど。「ウサギさんリンゴ」ひとつと取っても「赤面して」「当たり前に」「憮然と」「無表情に」「目だけ笑ってない顔で」「泣きながら」「切なそうに」「幸せそうに」「不幸せそうに」「笑顔で」差し出してくるだけでかなりの個性を作れる訳で(個人的には「当たり前にうさぎりんご」が好きだ。憮然とウサギリンゴも味わい深いな)「りんごをあげる」というだけでその人の性格、愛情、関係、状況がわかり、これに相手の反応が加わればそれが倍々になっていくわけで、それがキャラクターを書く楽しさだと思うんだけど「好きだから」「リンゴをあげる」もしくは「リンゴをあげた」「だから好意がある」しかない話を見ると!! すげえ!! もったいなくて!! 妖怪化しそうです!! ふぎーー!! うあーこういう人はリンゴ剥いてくれただけでありがとうとも思わずに「俺に気があるのかな?」とか能天気に思ってるに違いないんだぜ!!(言いがかり)いや、ワタシが言ってるリンゴの例えもただの記号を少しだけ細かくしただけなんだけど〜「ふつうに面白い」とか「安心して読める」とかいう断じて褒めてない言葉をもらってるお話は大体コレがヘタクソな気がする。うー。