以前茶も飲めるパン屋に入って席に座ったら、となりに背もたれに寄りかかって、今はやりのもじゃもじゃの長めの前髪を目を隠すようにたらしてうつむいて、形のいい鼻を文庫本に向けて熱心に読んでいる美しい青年がいてのう、それはそれはわくわくしたものじゃ。私は自分の手元に集中している男(まあ見目がいいに越したことはないがそうでなくてもいい←超上からだな!)が大好きで、しかもいかにも子供のようにただ猫背でうつむいてるんじゃなくて、寄りかかって下を向いてるのがよくてのう。ナカナカすてきな気分に浸っていたものじゃ。

ところがそこへ多分19か20才くらいの娘さんがやってきてその青年の向かいに座ってのうううーー。オイラの素敵タイムは終了さ。イヤ別にその兄ちゃんがフリーであってほしいとかそういう差し出がましいことを思っている訳はなくてだなあー、おんなってのはーいかんよ。つまらんよ。向かいに座っただけで「夢に出てくるような青年」を「ジャニーズにいそうな気の効いたイケメン」に変えてしまうんじゃ。ああ私が帰るまで来ないでほしかったのう。

その娘さんがまたよくできてて、あずまきよひこのまんがに出てきそうな、かわいいんだけどどちらかと言えば愛嬌のほうが感じられる清潔な感じの子で、甘えるのがとても上手で、テーブルに軽く伏して上目でその青年をニコニコしながら見てその青年にしか聞こえない声で何か言うんだな。すると青年がうれしそーにやや上からかぶせるように乗り出してまた何事か言って二人で笑ったりしてるのだな。(…今思うとつくづくよくできた男だな! またこれが本当に嬉しそうでサマになってんだよ)なんかよくできすぎてて可愛いやら残念やらオイラはよくわからない気分で悶々としてしまってのう。え? だからなんだって? 自分でわかったらこんなもんつれづれと書いてないわい!(ひでー)