私の美の世界
- 作者: 森茉莉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1984/12/24
- メディア: 文庫
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森さんが花が咲くように幸せなのは、結婚したからとか、ひとりだからとか、子供がいたからとか、いなかったとか、働いてたからとか、無職だからとか、文章を書けたからとか、金があるからとか、貧乏だからとか、自由だからとかそんなちんけなことじゃなくって、塩煎餅から始まって音楽動物世間社会世界自然生活全てに至るまで、愛するにしても嫌うにしても手を抜かずに自分の中のうつくしいものと共に生きているからだと、人間(特に女)は心の中にこんこんと湧くものがある事を知っているからだと思う。ナンてすてきなんだ。夢のようだ。
しかしあれだよなあー。梨木香歩のエッセイ読んだ時も思いましたが、まともな女の人は、例えが古くて申し訳ないがいいタイミングで「ラブストーリーは突然に」が流れて来るようなものを愛だ恋だなんて決して言わないよなあ。心持ちのいい事よ。