相克のフェイトライン
- 作者: 翅田大介,kaya8
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 文庫
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私「それを持ってしてなにをするか」「何を思うか」というのが重要な人間で、事実転がっているだけの他人の過去にあんまりというかかなり興味がないのな。それが小説のキャラクターなら尚更で「あっそー、それで?」としか思えんのね。温かい家庭があって何不自由なくぬくぬくと生きてても不幸なヤツは頑として不幸だし。未来なんて尚更で、どんなにコツコツがんばったって小学生が将来のために毎月500円(年6千円。大人はそれを一晩で使う)ずつ溜めてるよーな事でしかない場合の方が多いじゃないか他人から見たら。我慢してるヤツは我慢してないヤツの事よく思わない分めんどくさいし。というかがんばったらがんばっただけ何かあると思ってること自体不遜というか、無邪気やなーとか思ったりするわけですよ何せ他人の努力ですから。
で、そんなワタシが最初このお話に何を感じていたのかと言うと、現在、過去、未来を背負うキャラクターたちが触れあう事によって、人として気持ちのわかるあるべき姿というか、無菌でも病的でもない境遇をいとわない健康な人生というか、精神を見られそうだなあということで、期待して読んでたのですが、多分そこを目指していると思うのですが、どうもそこに辿り着く前にまず彼らの過去や境遇や意地に共鳴できなきゃいけないみたいなん、だな…。「かわいそう」までわかりやすいことじゃないけど、かなり近い事を思わなければならないというか。…つーかこれ少年小説なんだから男の子が腹の中で煮てる事を世の中とか聴衆の目から無視されるなんて当たり前の理不尽が通るはずないんだよな…。セーラと死なない彼女しか読んだ事ないけど、どーもHJ文庫って「あっちゃいけないこと」をひとつキャンセルしてエンタメにするのが技法みたいだしな。いや、それは全然いいんだけど、私のような人間にも楽しい事とか愛する事がいっぱしにあって、ある故に受け入れられないことがあるわけでな…。つーーーか知ったこっちゃないんだよ君の不幸など!! という訳で持って行き方の技法が合いませんでした。ことさら過去とか関係ない関係ないといちいち言う(でも皆ちゃんとというかちゃっかり披露はしてくれる)のも鼻につきました…。うーんこの気持ちわかってもらえるのかなあ?? まあ私はもやもやが整理できたのでよしとする(とんだ感想ブログだ…)