向日性のとびら

向日性のとびら (花音コミックス)

向日性のとびら (花音コミックス)

目に見える、両手に乗るくらいの日常。それを見えないように別の日常が覆っていて、それの扉を開くとまた別のルールと世界があって、延々と続くそれを浮き立ったり傷ついたり絶望したりしながらも求め続けるのは、自分が置かれた真実よりも、ふいに現れた心触れた人間のありようを手に入れたいから。そこにそれがいないなら知らない扉をまた開かずにはいられない。傷つくにせよ愛するにせよ、すくなくともその扉は、求めなければ見つからないのだ。
とにかくとにかくとにかく見事なのはそういう中でのシスとカイの気持ちと心の動きを全部目でやってて、大げさなことはしてないのにその機微がひじょーに切なかったり愛しかったりと絶妙でぎゅーぎゅーきました。そのお陰で他のことはセリフで回さなければならなかったりしてるのですが、ときめいたのでもういいです。後半とラストを知ると、前半のカイの表情がほんとにもうたまりません。すばらしい!