物語なんてのはどんなにえらそうな顔をしたところで、人間が書いて人間が読む限り普遍という縛りから逃れる事はできないんである。斬新とか新鮮とか言ってみた所でそれらが普遍より早く生まれる事もないし。そんな中でライトノベル読んでてホントに感心するのは、その普遍を描くために、当たり前になる事なく、かといって複雑に濁すのを良しとせず、物凄く心をくだいて文章を重ねられていることなんだなあ。書き古されたことを、書き古されただけの価値を掬い上げて、伝える努力を物凄くしている。や、脚の指にエンピツはさんで鼻歌歌いながらテキトーに書いたんじゃないのってヤツとか、普遍とエンターテイメントをこなすのが精一杯みたいなのの方が多いけど、少なくともヒットして一線はってる作品はすべからくその辺がちゃんとしてる。「命を大切に」「あなたを愛してる」「愛されるべきものが幸せになる」諸々が、世の中もはやその言葉だけでは伝わらないことをちゃんと知ってて、お話を重ねているのだなあとか思う。
とか思ってるので、比較するような言い方はよくないと思いつつも、FFのオールスターみたいなゲームありますやん? あれのCM見てて、どーーしても「RPGってホントにシナリオのレベルは上がってない…つーか退化してるよなー」とか思う。日本一売れてるゲームのCMでっせ? あのCMで出てくるセリフラノベの帯に書いてあったらアナタ買います? こないだの深夜ゲームセンターCXで長めのプロモみたいなの流れててボーッと見てたんですが「守りたい!」「守るべきものがある!」「大切な事が!」………それは大切なことだけどー……人として永遠普遍のテーマだけどー……お話としてそれ言葉で言っちゃおしまいっていうか……。画面からダダ漏れる凄まじい仕事量がもったいなくて涙が出て来るが、あの野放図なCGとキンキラキンのキャラ見るためのもんだからいいのか。な?