BLACK BLOOD BROTHERS 2
BLACK BLOOD BROTHERS(2) ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動― (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: あざの耕平,草河遊也
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 文庫
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裏は表のためにあるわけじゃなく、もちろん表も裏のためにあるわけでなく、ただ共にあるだけという無常(くどいようだが無情じゃないよ)の中、ミミコの真っ当さがほんとうにまぶしいよ…。というか強いわけでも鈍感なわけでもないただの小娘なのに、ただよかれと思って生きようとするのがいいな。年若い吸血鬼たちがことさら人間に差別めいた口をきくのは、無意識下で自分が捨てたものに負い目があるからだな。
ジローが長い年月を生きて相当ミもフタもない身体になってるにも関わらず、ミミコの心や気持ちを無視できないさまが、見せびらかすでなく、でも「ああ、そうだよなあ」という感じで出ててええのう。もう、なんだかジローもミミコもいじらしくてねええ。それを全部わかってるのがコタロウというのがまた無常なんだが、やっぱり優しいのだ…。
吸血鬼って負い目の物語なのだな。(今思えばDクラもそーだ)老いも若きもどんどん増えていく中、心持つ人々がそれと向かい合う様を楽しみにしておりますです。