身代わり伯爵の脱走

身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫)

身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫)

あーー…。あとがき通り(つーか読んでる時薄々感づいてはいたが)これ4冊目でやっててくれたらなあ…。


あのー鈍い娘さんとヘタレな男って一冊二冊目までなら「あらかわいい」で済みますけどねー、五冊目にもなって来ると「鈍けりゃ何言ってもいいんか?」とか「相手がスキだと言わないとスキって思っちゃ行かんのか?」とか「何も説明せんと『あなたのためだから』繰り返されてもなあ…」とかいう気分にもなって来る訳ですよ。しかも4冊目のお話が事態が何にも動いてない(まあ楽しかったけど…)所に来て今回事態がジークの「一声」と「説明」で動いたわけですよ。「それならもっと早く動いてもヨカッタんじゃ…」とか思ってしまう訳ですよ。あと今回のミレーユって行動派に見えて、何かに対するリアクションが勇ましいだけで自分から何かする訳じゃないんだよね…。立場とかから鑑みても当たり前っちゃ当たり前なんだけど、実の所すんげー受け身で、「よし、動いていい!」「動かざるを得ない!」という所に誰かに追い込まれないと何もせんのがストレスというか…。「話がややこしくなって来た都合で自分から動けないのだな?」というか…。何かし始めた時にはこっちの気分的にはもう遅いよーというか…。ミレーユと再会したリヒャルトの情景とか気持ちとかステキだったんだけど、リヒャルトの言い分はごもっともなんだけど、悲しいんだけど、五冊目の終わりの方でやっと出て来てもなあ…。という…。結局また同じことになってるし…。


うーーーーーん彩雲国といいまるマといい身代わり伯爵といい、一巻目気楽な設定がウケたのに、五巻くらいからその気楽さ故に破状して来て(無理が出て来て)その設定の穴埋めと説明に追われて良い所が曲がって行くような感じを見るにつけ、ビーンズは気楽なままいけんのか?とか思ってしまうですよ(^^;)作者があとがきで色々言い訳してるのも同じ流れだし(^^;;;)その気楽さが「いかんなあこれ」と思うなら、新しい世界とキャラを作ってやってほしいなあと。スキになった世界が都合で変わって行ったり、変わるためにいるようないらないような話で繋がれて間延びするのは、なんかどうもなあ。面白い方へ成長してくれればいいけど、どうにも書き手として皆若くて痛々しいんだよなあ…。