ベン・トー2 ザンギ弁当295円

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (スーパーダッシュ文庫)

さ…佐藤貴様…!! 孤高でクールに見えて実は世話好きで寂しがりやという絶妙ーーに心をくすぐる遣水先輩一本で行くのかと思ってたら、2巻に続いたとたん金髪メガネハーフでも人当たりはワンころというおいしくかつ無自覚に濃密なつながりを持ついとこにして幼なじみ著莪がでてくるなんて、さすがこの作品の主人公、ものすごく行き当たりばったり(ゲフンゲフン)い、いやもとい、引き出しの多い男だな! どちらかといえばセリフが全て殺し文句の遣水先輩が好きですが(ハアハア)佐藤には著莪さんがいいかな?


しかしすごいよなあーこの話。小説の底力を感じたよ。だってアナタ<ネタバレ>弁当売り場の前で、買い物かごの乗ったスーパーのカートで人を轢こうとしてる男を見て1秒でも怒りとかムカつきとか湧きます? 湧かんよな。「なにあんた?」がせいぜいだと思うんだが、このベン・トーを300Pも読むとああーら不思議「いけ!」とか「この豚を倒せ!」とか思っているのさ。…抱きつき魔のいとこと抱き合ったり、ゲームしたり、威風堂々と似合わない女装したり、同級生のホモ創作のネタにされたり、B級グルメを堪能したりしてたばかりのような気がするのだが、いつのまにか狼達のいきざま(カンケーないが生き様っていい言葉だと思わないが「生き様って言葉キライ。あれは死に様でしょ」とかイチイチいう類いの人間の方がキライ)を刻まれてクライマックスへ向けて精神を再構築されているのだな。見事…なんだけどなんか素直に褒めたくないんだよなあ(笑)まあ楽しかったからいいです。
ところで筋肉刑事ちょうよみたいんですがなんとかなりませんか。繊細な少女漫画ファンタジーより即物的なファンタジーホモの方が好物です。というか「サト…サイトウさん」がどんどん好き者になってるような気がするのは私だけですか。私だけでいいですねすいません。
あと、あとがきの「業界はともかくSD文庫から追い出される」ネタって時期的に言ってあの醜い祭り騒ぎ以外思い当たらないんですが言わなくていいですねすいません。