陰摩羅鬼の瑕

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

以前電車の中で読んで関くん語りで半端なく酔ってそこで頓挫していたのを、久しぶりに出してきて再挑戦。また酔いました(爆)ゲフー。
もー関くんもグルグル伯爵もグルグル伯爵の親戚もグルグルで目が回りました…。特に伯爵のすげー理路整然と踏み外したインテリトンチンカンな語りがきつかった…。前半儒教に丸っきり興味がないのも相まって読むのが大変でしたが(まあそれでも最後まで読まされるのは毎度さすがだ)物語がふいにひとつになって、大型の鳥が突然はばたいて飛び立つような推進力で話が動き出すのは毎度のことながら快感でございました。快感とか言える話じゃないけど…。つーか「物語における役目」みたいな話がチラリとありましたけど、いいかげんここまで読んで来ると京極さんは用意した人間にどういう役割を振るかって大体想像がつきますわな。このお話かなりストレートにそのまんまなので読んでて凄くいたたまれなかった…。わかってんだけど「あーあーあー…」とか言わされてしまうような。
あと「榎さんが目が見えない」とかいつになく安易な手を使って来るっつーか微妙に性急に話が進むのも気になっちゃったけどいいやもう面白かったから。つーか榎さん役に立たなかったなーー!! 「ちゃんと依頼しろ」って理由で娘さんを救えない人じゃ困るんだけど。かわいさばっかり全面に押し出してずるいぞこのやろう。関くんがついてきてるんじゃなくてあんたがついてあげてるんじゃないか妬ましいぞこのやろう!! でも面白かったからいい。え? そう思ってるように見えない? いや京極さんの話ってどうしてもこうなるんだよ感想が! 愛してるんだからいいじゃない!