封殺鬼 花闇を抱きしもの 上下

封殺鬼 花闇を抱きしもの (上) (ルルル文庫)

封殺鬼 花闇を抱きしもの (上) (ルルル文庫)

封殺鬼 花闇を抱きしもの (下) (ルルル文庫)

封殺鬼 花闇を抱きしもの (下) (ルルル文庫)

おもしろかったーー10年以上前に書いたとは全く思えねーブレないなー!
霜島さんの話って屋台骨は鋼鉄で出来ているがごとくしっかりしてて、見返してみるとゼツミョーな所に伏線が置いてあるんだけど、語り口はフワフワ…じゃないかな、サラサラしてて、うつくしいものとかあやういものとか人の心がくるくる巡るので、完成度の高いお話を読まされているーというより、どこかに迷い込んだような心持ちになることです。うーんすてき。
とにかく桐子10歳に転げ回りました。オオフー。付き従う2人の鬼は近くにいるし、いざとなったら斬り込むように踏み込んで来るんだけど、ただ在らなければならない所ではなんとしてもちゃんと自分で在ろうとする桐子がよかったっす。聖との漫才が映えるのはこういうところがちゃんとしてるからです。真面目に斜め上を行く弓生とのやり取りもいいなあ。皆かっこかわいいよう。ごろごろ。
名前(文字)には斯様な意味があるというのにわくわくするたちなので、弓生が聖という名前をつけた〜とかいうのに大変おぎおぎします。聖に強い言霊に負けない心があることを無表情の奥で知ってるんだろうなあとか考えるとじたじたします。
早臣がダンナ候補だったとゆーのをあとがきで読んで、全くそんなこと思ってなかったのでヘーとか思いました。早臣は桐子の相手にはちょっと生命力がなさすぎるだよ。志郎くらいのらくらしてないと務まらないよなー(笑)