封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 1

封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈1〉 (ルルル文庫)

封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈1〉 (ルルル文庫)

・助さん格さんを従えている美少女
・助さん→クール 格さん→人なつこい熱血
・冷酷だが身内まで欺けない美少女
・適応力があるちゃんとした大人
・昼行灯の兄貴としっかりものの弟(鼻息)
・「あちら」と「こちら」を行き来する昼行灯
・昼行灯と美少女
・気のいい妖怪に囲まれて暮らすライフハック
・人間社会とは違う法則の世界(まあ妖怪ってこれを擬人化したようなもんだ)
・闇


この話ワタシが好きなものと好きな展開しか出てこなくてもうどうしたらいいのか(ぶくぶく)
昭和5年の閉塞した情勢の中、闇の一族神島のもとに「真術会」なる団体から接触があったが…とかいうお話なのですが渦を巻くような闇と悪意とか、東京の片隅に緩くわだかまる影に存在する妖怪たちとか、神島の当主として肩肘はって生きてる桐子と彼女の使役の鬼・聖と弓生の漫才のようだったりたまに真面目だったりするやりとりとか、昼行灯志郎のたたずまいとかがぱっぱっと入れ替わって、暗いだけでなく、かといって明るいだけでもなくそれぞれが引き立て合ってとても面白かったです。お話もいいのですがそれを引っ張るキャラクターがとにかく立ってて、やりとりを眺めているだけで楽しいです。聖がね〜〜千年の時を生きる鬼なのにバカで、バカなんだけど人の気持ちのわかるいいヤツでいいんだな〜。かわいいよ〜。


俄然キャンバス文庫の封殺鬼も読みたくなった訳ですが、全28巻…だと…!! おまけにキャンバス文庫いつのまにか休刊。どないせーっちゅーねん。まあ気長にぶっこふなどでさがすよ…。オクに出てるの高いし…(文庫の中古に400円以上出すなら新刊買いたい人)そのまえに3,4巻じゃ!!(鼻息)


以前通販生活だかのインタビューだかコラムだかで高畑さんが「戦争が火垂るの墓のようなものだと最初からわかっていたら、戦争はおこらなかったでしょう。古い記録を見ると、日本もドイツも出て行く軍人たちを民衆が熱狂して送り出しています。自分たちの社会に利益をもたらしてくれる彼らを歓迎しています」(うろ覚え)とかいう事を言ってて、そのとーりだよなーとか思った事があるのですが。今日び戦争ものと言うと「何故こうなったか」を全部すっ飛ばして被害者視点で「命の大切さ」とか「ひもじい貧しい戦争は二度としてはいけない」の一点張りですが、まあ霜月さんも意識して書いていると思うのですが、この封殺鬼の戦前の情勢を読んでてほんっとーに2008の時勢と似てて、なんだかなーとか思ったりした。あえてそこをやるのがナカナカ新鮮だった。