イスカリオテ

イスカリオテ (電撃文庫)

イスカリオテ (電撃文庫)

面白かったー。すげー燃えました。つーかレンタルマギカ読んだ時も思ったのですが、つまらなくなる理由がないわな。


よく感想とかで「テンプレ通り」でつまらん的な言い方がありますが、実際そういう作品は積んだら富士山より高くそびえる程山のようにある訳ですが、そもそも面白くなきゃテンプレにもなりえない訳で、 な ん で そ こ ま で し て つ ま ら な く な る 訳 ? というのか前々からの謎だったのですが、この作品を読んでて全ての要素を太いパイプで繋げ、全機能を無駄なくフル回転させるのはやはり書き手に相当な豪腕さと強い意志がいるのだよなとか思いました。「美少女」とか「宿命」とか「後ろ暗さ」とか「かっこよさ」とか「逆転」とかキミもボクも大好きさなアレコレをガツーンと摂取させられました。ゲフッ。「落ちものヒロインがツンデレなのはよくあるから幼なじみをツンデレにしよう」(ヒロイン、幼なじみ、ツンデレを入れ替えれば大概のお話に対応)などというのが個性だと思われがちな昨今あまりにもまともでまぶしかった(笑)


しかし聖書って物語としてはどうにもこうにもステキなモチーフだよなアアー。はしばしに男尊女卑…というか父性が強すぎるきらいがあるけど(まあ広めるにはその方が色々と都合がいい部分もあるのだろう)その分「奇跡で伝説に!」とか男の子の心がびんびんになる要素満載だ。書いてある事の大半が赦す赦してだもんなァ…。
その皆が大好きな奇跡の象徴の身代わりとしてどん底から拾い上げられた主人公・イザヤは神の軌跡を模倣する断罪衣をまとう銀髪の人形、ノウェムと共に祈りを形にする〈都市〉で〈獣〉と戦う事になるがってうわっホントにテンプレだな! でもテンプレが持っているはずの、物語の元来の楽しさを味わえまする。もえた!