我が聖域に開け扉 (上)(下)

きたーーー…! やっとここまで来たぜーーー…!!
面白かったとかどうとかいうよりやっと終わったという気持ちが大きいんだぜ…。読み終わるまで読書の熱狂が続いて大変だった…。生活ってもんがあんだよ! 14年前に始まって4年前終わったライトノベルにかまけてる場合じゃねえんだよ!! フゴー!! しかもその熱狂って読み終わったとたん八割減というか、気が済んじゃうのかなんなのかアレってなんだったの状態になっちゃって、でも読んだ記憶だけは確かにあって、読書ってホントになんなんすかねとか思いつつ思ったことを列挙。


□ハーティア
こやつが出て来てきてしまった時、やはり無謀編も読みつつ来るべきだったのカシラーとか思いましたが、まあ、別に、いい、よね…。
そういやオーフェンてこういう男性いませんでしたね…。我が庭に〜あたりにいてくれたらどんなに話が早かったろうと思いますが、こういう普通の人は変なことに首突っ込まずに普通に生活してるから物語で出番がないということなのね。逆を言えば特別な人ってまあただ変なことに首突っ込むから悪目立ちする人ともいう。わかったかマジク。


□領主
ウィノナって犬死ではないのかな。でも領主は忘れてはいなくとも「いた」としか思ってないやね。でもウィノナはどの角度から見てもいらん人ではないのよね。「世界にひとつだけのハナ〜♪」というでもなく、「人間なんてラララ〜らららら〜ら〜♪」というでもなく、優しいというには大げさで、厳しいというには言いすぎなところにちゃんと落とすよなあ…。


□コルゴン
あっ、あなたなんて秋田さんの作品だから許してあげるんだからねっ! 他の作家が意気揚々と書いたって絶対読んであげないんだから! っていうか「まあ仕方がないか…」とか思ってる事自体くやしいんだからねっ!


□ロッテーシャ
秋田ワールドの女は強い。強すぎる。だから色気がないんだ(笑)
うーんここまで死ぬために生まれてこられるといっそすがすがしい。モノノフを見たぜ。


□十三使徒の皆さん
あなたがたがいなければ上下巻になることはなかったんじゃ(ゲフンゲフン)
あ、でもそうするとクリーオウ死んでたか…。というかマジクの見せ場がなかったな(見せ場…?)っていうかそれ以外はーエート…。生きるって大変ってことかな! (エー)
20冊目にして出て来たくせに、プルートーの見せ方が贔屓のひきたおしだった。マリア先生にちょっとだけでもわけてあげなよ! とか思った。


□ジャック・フリズビー
次から次へと出て来る特別であろうとする人々の中で、とても大きな看板を背負っていた。特別ってのは結局歪んだことや不健康なことを毎日継続している人な訳ですが(秋田さんが丁寧に遠大にこつこつとそれだけは書かないようにして表現して来たことを1文で粉砕すんな)ジャックはそれに悲しみや諦めすらなくして高みにおった訳です。わかったかマジク(2度目)
領主が何気に「必要な決意をひとつ手に入れただろう」と言ってそれをオーフェンが「どこまでも気に入らない」と返してて、あくまで図面や設計図を見るようにものを考える領主(当たり前と言えば当たり前だが)と、相容れないオーフェン。いやあそれにしてもオーフェンは諦めなかったな! バカな訳でも鈍い訳でもないのに! 元弟子と、なんだかついてきた女の子と、姉たちと、世界に比べたら自分のわずかばかりの過去のために。


□レティシャ
レティシャは基本いい人だと思うんだけど、この特有のネチッとした感じがええのう〜。ヘタに素直で優しい人よりも別れた後いつまでも気になっちゃう感じの。偽善的なこと言わずに尽くすからかえって面倒なことになる感じの。心の妹弟に全力で頼られててクソッタレー言いながら応えちゃう器用貧乏さと、なんだかんだいって望んでるのが一家揃ってのそれなりにつましい暮らしってのがいいやね。


□アザリー
得るために失う事をいとわず、ありあまる能力以上に受け入れる強さがある立派な人なのだが、いついかなる時も正しい人が人間社会の中で正しいかと言うとそんなことはないんだよなという事を実証するためにあるような一生だったな(笑)迷うのも選ぶのもすげえ正々堂々としてるから、たった一回おかした過ちすら絶対必要だったよーな気がして来るこの不思議。言う事もやる事もムチャクチャなのに、何か納得してさせてしまう力。人間でかい声ではっきり言い切ったもん勝ち。自分が消したものをあながうためにまっすぐためらわずに何かを差し出す愛すべき人間には、どんなに迷惑かけられても誰も何も言えないのだった。


□レキ
レキって女の子なんだよね?(ディープドラゴンは彼女とか言われてたよーな)クリーオウとの関係は男の子だったらちょう萌えたんだがな。男の子も女の子もないけどさ。
…え!? それだけ!? あ、いや、そんなことないんですけど実はドラゴンそのもののことがあまり消化できてないのです…。お話は好きだけど説明はあんまり頭に入らないもんで…。そんでも面白かったんだからいーじゃん(エー)


□マジク
ワタシが記憶する限りでは、20冊に渡るこのシリーズで意味のある「好き」ってハッキリ言った台詞は、こやつが必殺技として吐いたアレだけなんですが。どんだけストイックな話なんだよ!!(笑)それだけでもうこの子はスゴい子なんです。気絶と失敗と人質に彩られた人生でも、この一発が他のヤツにはできないんです。そしてそれに当人が気付くのは老衰10秒前なんです。いやあステキだなマジク! そりゃ人気もなかろう(ゲフンゲフン)
あの必殺技はびっくりしたな〜そりゃ失敗は許されんよな〜しくじったら心が社会復帰できねえもの(笑笑)
「男の子」のことを誠意を持ってちゃんとやったら、一番人気出ないのは同輩の男の子になるはずなんだよね本当は。とか思ったりした。


□クリーオウ
大好きじゃーフギャー!
あの主張する代わりに人を徹底して責めない姿勢が、レキと一体になったことによって揺らぐのが何とも切なく、エエ子やの〜とか思いました。この世界はホントに何かが立つと違う角度から押して来る何かがあって、笑ったりなんだりしながら棒立ちに生きる事を許さず、かつそれが意地悪くなくってええのう〜。


オーフェン
オーフェンは最初から最後まで自分から何かしたことってないよね。何かに巻込まれたり、勝手に見込まれたり、運命に導かれちゃったりしつつ、姉に、クリーオウに、地人兄弟に、腕を引かれ足を払われ膝を折られ転げ落ちて結局最後までつきあうハメになるっつーか。ただただ文句を言いながらも全てを受け入れ、口に出さずに許し、負けようがなんだろうが最後まで諦めず、捨てなかっただけ。ワタシはそれを臆面もなく優しさだと思うのだなあ。そして主人公は人として気持ちのわかる優しい人であってほしいのだなあ。それにしてもまあー色々なことがあったのに、最初から最後までそういう人で嬉しかったでございます。


う、うぐ、考えてた事の半分も書けてない…。まあおいおい書いて行こう。無謀編もあるし。