アクセル・ワールド

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

上手ーーーい!! とっても面白かったーーーー! ざっつエンタメ! たのしかった!
いじめられっ子のぽっちゃり君ハルユキが、黒雪姫と呼ばれ注目を集める美少女に天啓を受けるが…というベタもベタなお話ですが、ただベタが並べられているお話という訳でなく、「ここじゃなかったら」「あれがいなかったら」「美しい女の子が現れたら」「ほめてほしいのに気にされるのは辛い」「『僕が』認めてほしいことは気付かないくせに」という少年特有の甘えを意地悪でなくきちんと裏打ちに使ってるので、ガチガチにサイバーな世界(シレッと管理社会なんだよな…またそれを皆フツーに受け入れている)であるにもかかわらず、ハルユキ君の人臭い甘酸っぱさがたちこめていて、気持がわかるというか、「わかっててもそうなんだからしょうがないだろう」という人臭い甘えから始まってるから、ねーよとか思いつつもハルユキがひとつずつ成長したり先輩と気持ちを交わしたりして行くと気持ちいいのねーん。苦くて甘い快感と言うか。そういうことを経つつも、おしまいはこれまた少年らしいあるべき所へ行って、気持ちよかったです。黒雪姫もイヤミでもエグみでもなく上品なスパイスの利いたヒロインでよいよヨイヨ〜ニコニコ。