マギ・ストラット・エンゲージ

マギ・ストラット・エンゲージ (電撃文庫)

マギ・ストラット・エンゲージ (電撃文庫)

「隠れた才能がある平凡な主人公」が「異世界の脅威」に「ふいに現れたヒロイン」と共に立ち向かう、といういかにもなお話なんですが、主人公の兄ちゃんのセロがフツーに善良で、ヒロインの娘さんのルルーラも真面目でひたむきで、両方ともワタシは好きな感じなので楽しかったです。「ヒロインが主人公の何て事ない事にツボを突かれて気持ちを寄せて行く」ってそんな阿呆なとか思ってましたが、好きなキャラだとこんなに気持ちがいいものなのだなあ〜(笑)なんかニコニコしてしまった…。
正直不器用な文章なんですが、人の気持ちとか心が繋がる様に重きを置いている所が、バトルものでありながら飲食とかそういう当たり前の営みで人の気持ちを近づけようと一生懸命書いてる所が好きです。愛とか信頼を物語の接着剤でなくバカ正直に素敵なものとして書いてる所が好きです。でもそういうのに関心がない人にはテンプレ舞台で余計な事をあっちこっちヨロヨロしながら結局当たり前に終わるいい人たちの話にしか見えないかもしんない(^^;)
続きが読みたい…というよりまたセロとルルーラが見たいとか思うのだがどーだろー。「善良な主人公」と「話に都合がいいものわかりのいいだけの偽善主人公」って紙一重で、もちろんワタシだって後者は大嫌いですが、このお話が万人に前者だと思わせる程の豪腕さは正直ないので、どうにも不利な気がするのう。