クレイジーフラミンゴの秋

クレイジーフラミンゴの秋 (GA文庫)

クレイジーフラミンゴの秋 (GA文庫)

うおー
ふおー
ぐおー
面白かったよーもうなんつーかぎゅうううううーーーとなったよーーー。えーん。
1979年に中学生だった女の子の話。ほんとにただそれだけ。それだけのことにこうも気持ちを掴まれるか。えーんえーん。この、この原田の良さって女だから描ける感じだよなあー。じわわーん。


この話もクレイジーカンガルーの夏も取り扱ってる年代の関係から昔を懐古するような「何ラノベでおっさん(おばはん)ホイホイ的な事してんの?」という感じで言われがちなんだけど、これは「あの頃は良かった」とか「今の何番煎じのものより昔の物の方が力があって面白かった」から今そのまんまやるっていう類いの事ではなくて、「現在の空気を汲んで消化した上で昔の話をしている」お話だと思う。
何年か前巨匠の名作を片っ端からリメイクして、やった端から失敗して行く現象がありましたが(そして今も残り火のように月曜日にやっている…)名作が名作なのは「浮いて行く10代」とか「働く事しか考えてない親世代からの自立」とか「受験戦争ができる背景」とか今言うとベタとしか言いようのないことがまだボンヤリとしてた頃の、70年代、80年代、90年代の世間の空気を描き手が反映していたからで(ヤマトだって999だってガンダムだって、もっといえばビートルズだってストーンズだってそうで、ワタシは好きじゃないがエヴァなんてやってることは昔のオマージュばっかりだったのにそういうのをひっくるめて全く90年代の空気を反映してて、いろんな物を形にした。エウレカセブンが完成度の割にあんまり認知度が高くないのは昔の作品をブラッシュアップする事ばかりが巧みで2000年代の空気を汲む事がおろそかだったからじゃないかってこれは余計だ)どんなに面白くても今の時代に新作にするにはやっぱり異物なのだと思う。(携帯電話持てばいいとかそういう次元じゃあない)(ていうかカッコが多い)このクレイジフラミンゴ〜は昔の事を書きながら、どこか現代の目があっていいなと思いますた。


こういう、出て来る大人も子供も、容姿も言う事も物の考え方もそんなに大げさじゃない、でもリアルとかいうのでもないお話って当人が気付いてないだけで切実に読みたい10代っているんじゃないかなあーと思うのだが(おまけにちょうど自分の親が10代の頃の話だ)そういう子がGA文庫に手を伸ばすのかというと果てしなくないような気がするなあー。ワタシが読んでじーんとかしててごめんよ(笑)