クリーオウの行動理念は、はぐれ旅が始まって終わるまで徹頭徹尾「クリーオウ自身が思う」ちゃんとした人間になることだったなあと。
 それは誰かと比べて強いということでなく、多くの物を持つことでなく、何かを守ることでなく、楽をするためでもなく、ただ漠然とそうであろうとしていて、その第一歩がオーフェンとの出会いであり、それをもたらしたのがオーフェンで良かったなあと思える人物であることに価値があり、それは実のところ中々ないことであり、クリーオウなりについていくに足りることなのだろうなあと思ったりしました。


 クリーオウは人の意見で自我が曲がらず、レキの力に勝手に一人で悩み、実力以上のことを言い放ち、人を振り回し、主人公にも物語にもなにひとつ奉仕せず(←これがヒロイン視されない最大の理由なんだよね…。ハハハン)言いたいことを言いたい放題なんだけど、言うだけ言って相手が聞き入れなくてもそれを受け入れるし、失敗した人を打ちのめすような事はしないし、認められないものはあくまで自分の人生をかけて否定するし、とにかくその自立した精神ゆえに、肯定にせよ否定にせよ相手の存在を限りなくフェアに受け入れるのだよね。そういうところがまた、恋とか伴侶とかと別の次元で(イヤ別に添い遂げてくれてもいいけど)オーフェンという魔力は一級のチンピラ(死語だ…)の人生に現れるべき娘だったのかななどと今回のもつなべスペシャルを読んで思ったり思わなかったりしました。
 いや何が言いたいのかというと私が素敵だと思ったことを、終わって何年もたってるのにあんな所で(笑)しれっとそのまま続けてみせてくれたことがうれしかったのですよ。