BITTER×SWEET BLOOD (電撃文庫)

BITTER×SWEET BLOOD (電撃文庫)

小説は色々な表現の仕方や技法がありましょうが、ワタシは「主人公」ってものは分身、愛、希望…とまではいかなくても、作家にとって特別なものであってほしいんですよね。「テーマ」なんてものはいくらでも煙に巻けるけど主人公ってごまかせないし。主人公に誠意を持って挑むのって読み手への作家の最低限の礼儀だと思うんですが。

「大人しい女の子」と「ツンツン美形吸血鬼」の交流を楽しみに挑んだのですが。が〜が〜。
……このお話って、「美幸」に関心を持った「ハル」を高みから見ている「アニス」というお話のほうがしっくり来ません? 玲子っていう「超絶美形吸血鬼を惹き付ける(自分にも潜在してると妄想できる)特別な血」と「(まあ、ラノベ読む読者を狙った)受け身な大人しい性格」のドリーム小説の主人公をムリヤリねじ込んだような感じがしたのですが。というかそれ以上のテーマを主人公から感じなかったのですが。ぶっちゃけ愛がねーっつーか。ハルと玲子の気持ちの繋がりって何か描写されてました?? よっぽどハルと美幸の方が愛じゃないなりに関わりが見えたと言うか。ハルとアニスの関係の方が雰囲気があると言うか。考えすぎ? でも表紙を飾ることのないヒロインってなんなのさ(^^;)。