ちょっとしたトラブルや困った性格が食で良くなる美味しんぼは、変わるわけはないと知ってても特に「美味しいもん食べただけで人の性格がそんなに変わるかい」とか思わないのに(まあ最大公約数に普遍的な題材しかやらないというのもあるけど) 化粧とキレイで事態がよくなるコスメの魔法だと何か一抹の残酷さを感じるのはなんなんだろう、と考えていたのだが、美味しんぼは「困った事態」「食の説明」「改善」が4:3:3くらいでやるのに対し、コスメの魔法は「事態」「化粧品の説明」「改善」を7:2:1くらいでやるからかなーとか思った。あいかわももこさんはネームに説得力がありすぎて「女の普遍的な困った事態」が妙に刺さる事があって読後「結局女は化粧して気持ち切り替えるしかないのね…。フフ…」みたいな気持ちになることがあるのでせめて5:2:3くらいにしてくんないかなーと思う。人間てショックやきっかけで変わるにしても、面倒を味わった同じくらいの時間が必要なんじゃないかなーと思ったり。

何年か前みもふたもなさが面白くて中村うさぎの本をよく読んでたんだけど、とにかくこの人は歪みがないというかぶっちゃけ何冊出しても内容は同じなので読まなくなっていたのだな。こないだ文春からエッセイの最新刊が出てるの見かけたのでなんとなく買ってみたらやっぱり何一つ変わってなくて凄いなーと思った。中村うさぎは何がすごいって浪費癖でもホスト狂いでも借金でも果てない整形でもなく「私は〇〇で××だからこういう事をするんだわ!」といまだに言い続けている所だよなあと思う。周りから見ればただの責任転嫁だけど、これやってる限り肉体は傷ついても寿命まで生き延びられるのかなーとか思った。

□画面が全体的に黄緑色のタバコのマナーのあのCM見てると、人間はタバコ一本より軽いんだなーとか思ったり。右往左往して最終的に自らハブになってくのが泣ける。迷惑とされるような吸い方する人はアレ見てもなんとも思わないのがさらに泣ける。


□絵や漫画が描きたくない。身から出たサビで自分が何物とも思えない状態の時はホントに描く気がおきない。高校のとき、漫画とかアニメは好きだけど好きなだけな友達に「自分で描いた漫画だのイラストだのを本にして売るイベントがある」と説明したら「恥くせー」と言われて、そんなーとか思いつつも「そういやそうだなあ。描かない人にはフシギな世界だよなあ」などとハタと思った事があった。人によってモチベーションは様々あるだろうが、同人は結局素人の自己満足の場である。超絶技巧のプロだってわざわざ素人になりに来る場である。それが約束である。なんでもあってなんでもよくて、だから楽しいんである。その自分に自己満足をさせようという気力が今まるでしおれてしまっている。せっかくの自由な箱庭で、思いつくことに何故かいちいち価値を考えてしまって楽しくない。むー。
( ゜д゜)ハッ、いかん。ちょっとゆっくりしよう。好きな漫画とかおかしを体内に取り込んで気力を育てよう。コーヒーとみかんとこたつもあるぜうふふあはは…グースヤスヤ(もうダメだ…)

電気グルーヴの続・メロン牧場(卓球さんと瀧さんと編集の人がだらだら喋ってる本)を読んでたら「道の向こうからチャラいやつとか来たら全然怖くないけど、ものすごく普通な、12年前のリーボックいまだ履いてるようなやつが来たらむちゃくちゃ怖い」「俺が知ってるもので現代を楽しんでる人間はわかるけど、そういう人は何で消化しているのかわからないから怖い」的な話してて、正否はともかくそのとーりだなーとかなんとなく思って、自ら隔離するようなこもった生活をしている私は、いっちょ現代と繋がる努力をしようかなと思い、一番考えやすいのは食かなと思って(服飾に行かないのがさすがである)安野モヨコのくいいじを買ってみた。何を言ってんだかわからねーだろーがなんかそうなった。


普段はこんな箱に入って出し入れが面倒な上に、上下巻なんて上だけ売れて下が余ったら、それを見越して少なくして下がたりなくなったらどーすんだ的なメンドくさそうな本とか以前に二冊で2400円だとなものはなんとなく敬遠するのだが、なんとなく安野モヨコならあの図々しいまでの力強さで私を導いてくれるのではないかと思ったので買ってしまった。私は安野モヨコは好きな所と嫌いな所がキッカリ同じだけあり、読んでて大変疲れる。嫌いな所はあの自意識が満々に溢れているなんでも見てやるぞって感じのキャラクターのでっかい目。読後目を閉じてもあの目がギラギラとまぶたに残っていて、必ず目尻がひきつるように疲れている。好きな所は、あのでっかい目が表すものの見方で観察しただけはあるミもフタもないまでの視点のドライさ。どんなに美しいキャラでも化粧の仕方がわかるし、裸になれば乳が絶妙に垂れてる。そういうのが台詞、背景、立ち方、態度に隅々に現れていてそれが魅力になっていて、つい引き込まれてあの目に焼かれながらも読んでしまってやっぱり疲れる。結局疲れるのか。まあこの本は食事の話と絵しか出て来ないからホイと手を出してみた。カレーを作れば何も考えずに何日も食べ、パン屋のイートインかマックか近所の飯屋の昼定食かチキンカツ定食を何も考えずにローテーションし続ける私にこの本が現世と繋がるきっかけをくれればいいがのう。(無理っぽい)



箱入りの本で思い出したのだが、本屋さんてパソコンで本を管理しているように見える割にスリットってなくならない所を見るとまだ活用されてんだよね?? 箱だとスリットが面倒なのかと思ってしまう暴れん坊本屋さん脳。

ずっとツイッタにうつつを抜かしてて、ツイッタやった人は一度は陥る「ここで言いたい事言っちゃうからブログで書く事ないわあー」的な事になって来て日記さぼってたんですが、なんていうかこう、プログは内容がイヤなら途中でやめて二度と見なきゃいいですが、ツイッタってフォローアンフォローご自由にとかいいつつそおもいかんだろうという所があって、ネガティブな事とか独りよがりな事図らずも見せてしまうのもなんだよなって感じで、やっぱなんでも書いちゃいけないことあるよなーと思うけど、書きたい事は陽の事ばかりでもないのではてなも活用していきたい所存です。いやもちろん書いちゃいけない事ブログにもありますけど。
とか言いつつはてなプラスの金切れてるので(^^;)本とかラノベの感想は読書メーターでやってますのでそちらもどうぞ。読書メーターじゃたりねえ! という時は多分こちらでも暑苦しく語ります。

うお、カーリングでカナダが途中で石止めてなんかすごい事したらしく会場が沸いてる! でもなんだかわからねえ!(笑)つーか北国の人のウインタースポーツに対するやんちゃぶりを甘く見ていた。応援はんぱねえ。

海賊と姫君

海賊と姫君―Eternal Lovers (ティアラ文庫)

海賊と姫君―Eternal Lovers (ティアラ文庫)

っかーーーーーーー!!(ゴロゴロゴロゴロガンゴンドカッ!)←床を転げてどっかにぶつかった音
策謀にはまって領地を追われた貴族のお姫様・マディーナが、生き残った跡継ぎの聡明な弟ルカと共に逃げ込んだのは海賊船だった! あっけなく海賊の船長レオンに捕われたマディーナは何故か(フッ…)専属の奴隷として彼の元に置かれるが…とゆーベタもベタ、こってこてです。少女漫画を知らない男性から見たら「そんなアホな」と言われてしまいそうなことがバンバンおしげもなく巻き起こり、荒唐無稽なまでのロマンティックとラブにガツンとやられます。見事な少女小説ティアラ文庫だからエロありだけど)になってます。考えるな、感じろ! そして転がれ!! ゴロゴロ!!(…。)


ただそれだけでなく、マディーナも、レオンも、ルカも、生きる力と情熱に満ちていて、「少女」とか「エロ」とかレーベルの任務を遂行するのにいっぱいにならずに、ビートの利いた文章が彼らと共に意志を持って物語を突き進んでいて、とても読んでいて気持ちよかったです。ラストはもうこれでもか! これでもか! って感じで走ってて、いっそアッパレでした。愛も、涙も、悲しみも、幸せも、やるならとことんだ! 直球な彼らのおかげさまでエロシーンが、エロいっつーより、は、は、はずかしかった(笑)楽しかった! レオンかわいいよーいい年ぶっこいて素直になれない繊細な男前なんて久しぶりに見たよ(笑笑)おしあわせに!